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腔内金属照射筒を付加した放射線治療装置から出力される電子線深部量分布の線量計算の検討 International Journal of Medical Physics, Clinical Engineering and Radiation Oncology, Vol.6, No.3(2017)に掲載

Dose distributions in simulated electron radiotherapy with intraoral cones using treatment planning system. International Journal of Medical Physics, Clinical Engineering and Radiation Oncology, Vol.6, No.3 (2017)


Tomohiro Shimozato et al.


放射線治療で使用される計画装置TPSでは、患者に投与される通常の照射筒を使用する電子線の線量分布を計算することが可能である。口腔内の腫瘍に対しては、小照射野を作るため円筒形金属コリメータを使用することがある。このとき、通常照射筒を使用した場合と比べ線量分布は非常に変化するため、あらかじめ測定を行うか、線量分布を計算しておく必要がある。TPSによる線量分布計算は、通常照射筒取り付け時の幾何学的構造(図1a)と測定データによって計算されており、小照射野の金属コリメータ(図1b)付加時の情報は持っていない。本研究では、小照射野の金属コリメータ測定値・幾何学的情報で計算された線量分布と通常照射筒のデータを使用し小照射野を再現した場合の線量分布を比較検討し、臨床応用可能かを検討した。


【方法】Varian社製Clinac21iXから出力される6, 9, 12, 16 MeVの電子線ビームを使用し、通常照射筒と小照射野の円筒形金属コリメータを付加した場合のそれぞれについて、水中内の深部量分布曲線を取得した。使用した検出器は、平行平板型電離箱(Advanced Markus)と指頭型電離箱(3D PinPoint)を用いた。線源表面間距離SSDを100 cmにした水ファントムmp3内に検出器を設置し、図2のように、電子線を垂直方向(図2a)、45度方向(図2b)へ照射した場合に、検出器を垂直方向、45度斜方向へ走査することによって深部量を取得した。得られた分布をそれぞれTPSに登録し、それぞれのデータを使用して、線量計算アルゴリズムGGPBとeMCを用いて計算した。


【結果】12 MeV電子線ビームについて、図3に示した。電子線を垂直方向に照射し照射野を2 cmφ(a)、3 cmφ(b)としたときの結果を示している。黒色○が測定値、赤色実線が金属コリメータのデータを使用した分布、黒色実線が通常照射筒のデータで照射野を変更した分布、緑色実線が通常照射筒のデータを使用しアルゴリズムにeMCを使用した分布である。金属コリメータのデータを使用した場合、平均で約10%の差を検出した。通常照射筒のデータを使用しeMCで計算した場合は各エネルギーについて平均3%以内の差となった。図4は、45度方向に照射された12 MeVの電子線ビームの、45度方向(a)と垂直方向(b)の深部量分布である。金属コリメータのデータを使用した場合、45度方向の深部量については平均で約6%の差を検出した。通常照射筒のデータを使用しeMCで計算した場合は各エネルギーについて平均1.5%以内の差となった。垂直方向の深部量については、それぞれ、GGPBで22%の差がeMCでは1.8%以内になった。


【考察】近年、TPSに搭載される線量計算アルゴリズムが進歩し、今まで対応できなかった状況における線量分布計算が可能になった。臨床において、患者に正確な線量分布を示したり、正確な線量分布を記録しておく上でも、eMCによる線量分布計算は有用であり、臨床において十分に使用可能であることが確認された。


  • 図1
  • 図2
  • 図3
  • 図4