がん治療のチーム医療とは?放射線治療を支える職種の役割と連携を解説
がん治療がチームで行われる理由を知りたい人へ、放射線治療に関わる職種の連携を具体的に解説
がん治療は、一人の医師だけで進めるものではありません。
手術・薬物療法・放射線治療という三本柱を、医師・看護師・診療放射線技師・薬剤師・臨床検査技師などがチームで支えています。
厚生労働省の公表でも、がんは長年にわたり日本人の死因の上位を占めており、チームで治療の質を高める体制づくりが全国の病院で進められてきました。
家族の病気やニュースをきっかけに、「がん医療に関わる仕事がしたい」と考え始めた人もいるはずです。
「医師以外にどんな職種が関わっているの?」
「放射線治療って誰が担当しているの?」
そんな疑問を持つ高校生に向けて、この記事では放射線治療を中心に、がん治療チームの職種と連携の実際、そして進路としての目指し方を解説します。
【この記事のポイント】
- がん治療は手術・薬物療法・放射線治療の三本柱を、多職種チームが分担して支えている
- 放射線治療の照射を担うのは診療放射線技師で、医師以外で体に放射線を照射できる唯一の国家資格
- がん医療への道は医学部だけでなく、放射線・看護・薬学・検査のどの進路からも開かれている
この記事の結論
- 最も重要なのは、がん治療の質が「チームの連携の質」で決まると理解することです。
- 放射線治療は、放射線腫瘍医が計画し、診療放射線技師が照射を担い、看護師が患者さんを支える分業で成り立ちます。
- 薬物療法では薬剤師が、診断や効果判定では臨床検査技師と診療放射線技師が欠かせない役割を果たします。
- 岐阜医療科学大学の放射線技術学科では、診療放射線技師の国家試験受験資格を目指せます。
放射線治療チームを支える職種と役割
がんの三大治療のうち、放射線治療は「切らずに治す」選択肢として重要性を増しています。
体への負担が比較的少なく、高齢の患者さんにも選ばれやすい治療です。
まずはこの放射線治療が、どんなチームで動いているのかを見ていきます。
治療を設計する医師と、照射を担う診療放射線技師
放射線治療の入り口は、放射線腫瘍医と呼ばれる専門の医師による治療計画です。
がんの位置や大きさをもとに、どの角度から、どれだけの量を、何回に分けて照射するかを決めます。
その計画を実際の照射として実行するのが診療放射線技師です。
診療放射線技師は、医師以外で人の体に放射線を照射できる唯一の国家資格とされています。
照射位置が数ミリずれれば正常な組織を傷つけかねないため、毎回の位置合わせは緊張感のある作業です。
実は、放射線治療は数週間にわたって平日ほぼ毎日通う治療です。
患者さんにとって技師は「毎日顔を合わせる存在」になり、技術と同じくらい声かけの温かさが支えになります。
患者さんを支える看護師と、精度を守る専門職
放射線治療の期間中、皮膚の変化や倦怠感などの副作用が出ることがあります。
そこで看護師が体調の変化を観察し、生活の工夫を伝え、不安を受け止めます。
がん看護を専門とする認定看護師の制度もあり、治療と生活の橋渡し役として欠かせません。
さらに、治療装置の精度を物理学の専門知識で管理する医学物理士など、表からは見えにくい専門職もチームを支えています。
現場ではこんな会話が交わされます。
「今日の患者さん、皮膚の赤みが強くなっています。診察を先に入れられますか?」
「照射位置の確認画像、先生の確認をお願いします」
一回の照射の裏側で、複数の専門職のチェックが折り重なっているのです。
診断と薬物療法を支える職種たち
がん治療は放射線だけでは完結しません。
治療方針を決めるには、まず正確な診断が必要です。
CTやMRIなどの画像検査を診療放射線技師が担い、組織や血液の検査を臨床検査技師が担当します。
がんの種類を細胞レベルで特定する病理検査にも、臨床検査技師が深く関わります。
薬物療法の場面では、抗がん剤の調製や副作用の管理に薬剤師が力を発揮します。
よくあるのが、「がん医療=手術」というイメージのまま進路を考えてしまうケースです。
実際には、診断から治療、その後のフォローまで、医師以外の職種が主役になる場面が数多くあります。
自分の興味がどの場面にあるのかを意識しながら読み進めると、目指す職種が絞りやすくなります。
がん医療を目指す高校生の進路設計
がん医療に関わりたいという思いは、複数の進路につながっています。
ここからは、職種の選び方と実際の検討プロセスを紹介します。
実際にあった検討プロセス:祖母の治療がきっかけ
Gさん(高2)は、祖母が放射線治療を受けたことをきっかけに医療の道を考え始めました。
毎日の通院に付き添う中で、祖母が「技師さんと話すのが楽しみ」と笑うのを見て、この仕事が気になり始めたそうです。
とはいえ最初は「放射線って危なくないの?」という不安が先に立ち、深夜にスマホで「放射線技師 被ばく 大丈夫」と何度も検索しては手が止まっていました。
オープンキャンパスで被ばく管理の仕組みを聞いたとき、最初は半信半疑だったものの、線量計による管理や防護の三原則を実際の装置の前で説明され、不安の正体が「知らないこと」だったと気づいたといいます。
帰り道、Gさんは祖母に「照射のボタンを押す人になるかもしれない」と話しました。
翌朝、理科の授業ノートを開く目が少し変わっていたそうです。
職種選びの判断基準と就職の実際
がん医療に関わる進路の判断基準は三つあります。
第一に、装置や画像に興味があるか、人のケアに興味があるか、薬や検査データに興味があるか。
第二に、資格取得までの年数(放射線・看護・検査は4年、薬学は6年)。
第三に、卒業後の就職状況です。
参考として、岐阜医療科学大学の放射線技術学科では、2026年3月卒業生の求人倍率が12.0倍(求人件数308件・求人数1,016名・求職者85名)でした。
就職者のうち76名(98.7%)が診療放射線技師として就職し、約半数の37名(48.7%)が公的機関病院に進んでいます。
ケースによりますが、がん治療に力を入れる病院を選んで就職すれば、放射線治療の現場に関わるチャンスは十分にあります。
大学で確認しておきたいサポート体制
正直なところ、どの職種を選んでも国家試験という壁は避けて通れません。
だからこそ大学選びでは、試験までの支え方を確認しておくべきです。
比較の物差しは「担任などの伴走体制」「模試や補習の仕組み」「実習先の環境」の三つ。
岐阜医療科学大学にはクラス担任制があり、1年次から卒業まで同じ教員が伴走します。
教育支援センターでは学科と連携した模試・講義・補習を行い、国家試験の全員合格を目標に掲げています。
放射線技術学科では3・4年次に約2ヶ月半の臨床実習があり、病院現場でチーム医療を肌で学べます。
こうした体制は他校比較にも使える公平な物差しです。
同じ質問を複数の大学にぶつけて、答えを聞き比べてみてください。
納得して選んだ大学なら、入学後の4年間の頑張り方も変わってきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. がんの三大治療とは何ですか?
A1. 手術・薬物療法・放射線治療の三つです。単独ではなく組み合わせて行うことも多く、それぞれ別の職種チームが支えています。
Q2. 放射線治療で照射を担当するのは誰ですか?
A2. 診療放射線技師です。医師以外で体に放射線を照射できる唯一の国家資格で、医師の治療計画に基づいて毎回の照射を実行します。
Q3. 放射線治療はどれくらいの期間通うのですか?
A3. ケースによりますが、数週間にわたり平日ほぼ毎日通う形が代表的です。技師や看護師が毎日患者さんと顔を合わせて支えます。
Q4. 臨床検査技師はがん治療にどう関わりますか?
A4. 血液検査や病理検査でがんの診断・効果判定を支えます。細胞レベルでがんの種類を特定する検査は治療方針の決定に直結します。
Q5. 医学物理士とはどんな仕事ですか?
A5. 放射線治療装置の精度を物理学の専門知識で管理する専門職です。照射の正確さを陰で支える、チームの縁の下の力持ちです。
Q6. 診療放射線技師の就職状況は良いですか?
A6. 岐阜医療科学大学の放射線技術学科では、2026年3月卒の求人倍率が12.0倍でした。98.7%が診療放射線技師として就職しています。
Q7. がん医療に関わるには医学部しかありませんか?
A7. いいえ。放射線・看護・薬学・検査のどの進路からも関われます。それぞれに固有の役割があり、チームの一員として活躍できます。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- がん治療は三大治療を多職種チームが分担して支え、連携の質が治療の質を左右する
- 放射線治療は医師の計画・技師の照射・看護師のケア・物理の精度管理という分業で成り立つ
- がん医療への道は複数あり、興味の対象と就職状況・サポート体制で進路を選ぶのが後悔しない基準
がん医療に心が動いたなら、まずはどの役割で関わりたいのかを確かめることが第一歩です。
岐阜医療科学大学のオープンキャンパスでは、CT三次元画像やX線撮影体験など、放射線の仕事を体感できるプログラムがあります。
迷っている段階でこそ、一度現場の空気に触れてみてください。
医療職の進路を全体から整理したい方へ
医療職には、医師や看護師だけでなく、リハビリ職、検査職、放射線職、薬剤師、医療事務など、さまざまな選択肢があります。
進路を考える際は、資格の取得方法や仕事内容だけでなく、自分の適性、働き方、将来性、ほかの医療職との連携まで含めて整理することが大切です。
医療職ごとの役割や違い、進学先の選び方、チーム医療の仕組みを全体から理解したい方は、「医療職の進路をどう考えるべきか|職種理解からチーム医療までの構造整理」もあわせてご覧ください。
医療職への理解を深めたい方へ
医療職の進路を考えるには、職種、適性、資格、将来性、働き方を整理することが大切です。気になるテーマからご覧ください。
医療職の種類と役割
医療職ごとの仕事内容や、医療現場で担う役割を知りたい方はこちら。
医療職に向いている人の考え方
医療職に求められる適性や、仕事と向き合う姿勢を知りたい方はこちら。
医療職に必要な資格と学びの構造
必要な資格、進学先、国家試験までの流れを整理したい方はこちら。
医療職の将来性と社会的役割
医療職の需要や将来性、社会の中で果たす役割を知りたい方はこちら。
チーム医療という働き方の本質
多職種が連携して患者さんを支える、チーム医療の仕組みを知りたい方はこちら。
医療職を目指すなら、岐阜医療科学大学で学びませんか?
岐阜医療科学大学では、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、看護師、助産師など、医療現場を支える専門職を目指せます。
医療職の仕事内容や資格、進路について理解を深めたら、次は実際の学びの環境や入試情報を確認してみましょう。学部・学科の特徴、入試制度、オープンキャンパスなどの最新情報は、高校生・受験生専用サイトから確認できます。
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