第74回日本農村医学会学術総会にて大学院生が研究発表
岐阜医療科学大学大学院1年生笠井文哉さんが、第74回日本農村医学会学術総会(2025年10月23日[木]~24日[金]、ソフトピアジャパンセンター〈岐阜県大垣市〉にて開催)において、「アルツハイマー型認知症初期診断における脳血流SPECT、VSRAD、BAAD、HDS-Rの関連性」と題した研究発表を行いました。
本学会は「2040年に向けて地域医療のあり方を考える―美濃からの発信―」をテーマに、完全現地開催で実施されました。
■ 発表概要
本研究では、アルツハイマー型認知症(AD)の早期診断を目的として、以下の検査法の診断精度と関連性を比較しました。
• 脳血流SPECT
• 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
• MRI解析ソフト:Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease(VSRAD)
• MRI解析ソフト:Brain Anatomical Analysis using Diffeomorphic Deformation(BAAD)
脳ドック受診者325例を対象に、脳血流SPECTを基準として各検査の感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率を算出し、精度を比較した結果、BAAD(閾値0.7)が最も高い診断精度を示しました。
また、各検査間において有意な相関関係が確認され、検査を組み合わせた場合では「VSRAD陽性またはBAAD陽性で陽性」とする条件で最もバランスの取れた診断精度が得られました。
これらの結果から、複数の検査を併用することがアルツハイマー病の初期診断支援に有効であることが示唆されました。
本研究は、認知症の早期診断支援技術の発展と地域医療への貢献に向けた一助となるものです。