医療職 進路で英語は必要?苦手でも対応できる学び方のコツ
医療職に必要な英語は「ペラペラ」ではなく「場面を絞った実用英語」で十分
医療職を目指すなら「英語はまったく不要」ではありません。断言します。ただし、いきなりペラペラになる必要はなく、「基礎的な読み書き+簡単なコミュニケーション」ができれば十分スタートラインに立てます。岐阜医療科学大学でも「医療英語」を必修に位置づけ、英会話や多言語の科目を通して”現場で困らないレベル”の語学力を育てる方針を示しています。
この記事のポイント
- 医療職に「英語ゼロ」は現実的ではないが、高度な文法より「よく使う表現のパターン」を押さえる方が重要
- 日本の医療系大学では、1〜4年のどこかで英語・医療英語を必修としている学校が多く、苦手な人向けにも基礎から学べるカリキュラムが整いつつある
- 迷っているなら、「医療+英語」に完璧を求めるより、「単語100個」「自己紹介と症状の聞き方」など、”小さく積み上げる目標”に変えるのがおすすめ
この記事の結論
一言で言うと「医療職に英語は”ある程度必要”だけど、受験や現場で求められるのは”使う場面が限られた実用英語”なので、苦手でも対策次第で十分ついていける」です。最も重要なのは、「完璧な英会話」ではなく、「簡単な問診」「症状の聞き取り」「簡単な説明」「基本的な英文の読解」ができるレベルを目標にすることです。失敗しないためには、「英語=センス」と決めつけず、医療従事者向けに用意されたカリキュラムや医療英語講座を上手に使いながら、”医療でよく使うパターン”を絞って学んでいくことです。
医療職にどれくらい英語が必要なのか?
現場での「英語ニーズ」を数字で見る
医療現場で実際にどれくらい英語が使われているのかを調査した研究では、
- 看護師や保健師が英語を必要と感じる理由として、「外国人患者への対応」「英文献・最新情報の読解」が挙げられている
- 特に保健師では、「英文献・最新情報の読解」が必要と答えた割合が16.1%と、看護師の7.5%より高い
と報告されています。
また、医療機関の英語教育や国際対応を扱った論文では、
- 日本の医療現場で英語を使う機会があると答えた看護師が60%以上
- 外国人患者の増加に伴い、医療系大学で「医療英語」「看護英語」を必修にする流れが進んでいる
ことが示されています。
さらに、医師を対象に行われた大手企業の調査では、
- 約9割の医師が「外国人患者が増えている」と実感
- 約8割が「医師としてのキャリア形成に英語対応力は重要」と回答
- 現場では「英語対応に時間がかかり診療効率が下がる」「誤解やトラブルが起こる」といった課題が顕在化
していることが明らかになっています。
正直なところ、「英語なんて全然使わないよ」という状況ではもうなくなりつつある、というのが現実です。実は、今のうちから少しずつ”医療でよく出る表現”に慣れておいた人ほど、将来の仕事の選択肢も広がります。
医療系大学のカリキュラムが示す「英語の位置づけ」
日本の医療系大学の英語教育を調査した研究によると、
- 医学部・医療系学部では、一般英語を2〜10単位必修としている大学が多い
- 専門英語(医療英語)は0.78〜8単位の範囲で配置されている
と整理されています。
岐阜医療科学大学のカリキュラムポリシーでも、
- 「豊かな国際感覚を持ち、英語などを用いたコミュニケーションができる医療人を育成する」
- 英語については「医療英語」を必修、「英会話」を選択科目として配置し、英語以外の外国語科目も複数用意する
と明記されています。
実際の学科ページを見ると、
- 看護学科:基礎分野に「英語Ⅱ・英語Ⅲ・英会話Ⅱ(中級)」を配置し、多言語とともに”国際性”を育てるカリキュラムを導入
- 臨床検査学科:同じく基礎分野で「英語Ⅱ・英語Ⅲ・英会話Ⅱ(中級)」を設け、国際的な検査技術者として必要な語学力を養う
など、「医療+英語」をセットで学ぶ前提が組み込まれています。
正直なところ、「英語は完全に捨てたい」という人にとっては、少し耳が痛い話かもしれません。でも、逆に言えば「英語が得意じゃなくても、大学側が基礎から組み立て直してくれる」環境が整いつつある、とも言えます。
谷のフェーズ:英語の成績を見て、ついスマホを握る夜
英語の小テストや模試の結果を見た後、ついついやってしまう行動があります。
- 答案用紙をカバンの底に突っ込んだまま、取り出せずにいる
- スマホの検索窓に「医療職 英語 苦手」「看護 英語 ついていけない」と何度も打ち込む
- 単語帳を開いて3ページ目で止まり、「また明日やろう」と閉じてしまう
「困っている」という言葉を使わなくても、その感覚はわかります。ただ、英語は”やらない時間”が続くほど、「わからない単語の雪だるま」が大きくなる科目です。ここから抜け出すには、「全部の英語」ではなく、「医療職として必要な英語」に焦点を絞ることが大切です。
英語が苦手な人がハマりがちな失敗と、医療職ならではの対策
よくある失敗①:「学校英語=医療英語」と決めつける
よくあるのが、
- 高校文法の細かいルール
- 長文読解の難解なテーマ(環境問題・哲学など)
に苦戦して、「こんな難しい英語、医療現場で使うの?」と心が折れてしまうパターンです。
しかし、医療者向けの英語学習法を紹介するケアネットの連載では、
- 「仕事の英語が日常会話より簡単」と感じる医療者も多い
- 医療で必要な英語は、使う場面と表現がある程度決まっている
- 専門領域で使う用語は限られており、「パターン学習」が有効
と解説されています。
看護英語の集中コースでも、「挨拶・自己紹介」「症状の表現」「問診」「バイタルサイン」「検査や処置の説明」など、場面ごとのフレーズに絞ってカリキュラムが組まれています。
正直なところ、医療職の英語は「全部の英語」ではありません。実は、「よく使う100〜200の単語とフレーズ」を押さえるだけで、現場での不安はかなり減ります。
よくある失敗②:「英語はセンス」と決めつけてしまう
もう一つ多いのが、
「小さいころから英会話をやってこなかったから無理」 「文系じゃないから英語はダメ」
と、”センス”や”生まれつき”のせいにしてしまう考え方です。
しかし、医師向けに英語の目標設定を提案する論文では、
- 英文リーディングの速度を数値化し、「医療論文を読むために必要な速度」を目標値として設定
- TOEICなどのスコアだけでなく、「自分の診療科で必要な英語の種類」を細かく分解
するなど、「個人のセンス」ではなく「目標と方法」を具体化することで、誰でも段階的に英語力を高められると示しています。
また、医療系大学における英語教育の実態を調べた研究でも、「1年次に基礎英語を必修とし、その後に医療英語・看護英語へと進む二段階構成」が多いと報告されており、「苦手な人が最初から医療英語をやらされる」わけではないことがわかります。
正直なところ、「センスがない」と言ってしまった方が楽な瞬間はあります。でも、医療職に必要な英語は「範囲が決まっている」分、一般的な受験英語よりもむしろ戦略が立てやすい側面がある、というのが実情です。
転換フェーズ:「どの場面で、どの程度の英語が必要か」を絞る
不安から抜け出すには、まず「どの場面で」「どの程度」英語が必要なのかを整理することです。
- 外国人患者さんの受付・案内
- 症状や痛みの程度を英語で聞く
- 検査や処置の流れを簡単な英語で説明する
- 英語の論文や最新ガイドラインの概要を読む
看護師・保健師・医師を対象にした英語ニーズ調査では、「外国人患者対応」と「英文献の読解」が繰り返し上位に挙げられており、それぞれ必要な英語のレベルや種類が違うと指摘されています。
ここで大事なのは、「今の自分にとって現実的なゴール」を決めることです。
- 高校〜大学入学前:入試のリーディング・リスニングで必要なレベル+基本英単語
- 大学在学中:医療英語の授業についていける単語力・表現力
- 将来の現場:問診フレーズ+簡単な説明+必要なときに辞書や通訳と協力する力
一気に「外国人患者とペラペラ話せる自分」をゴールにすると、スタートを切る前に心が折れます。正直なところ、「単語100個」「自分の自己紹介と3つの質問だけ」を最初の目標にするくらいでちょうどいい、と感じています。
医療職を目指す人のための「英語対策」実践ステップ
ステップ1:入試・カリキュラムから逆算して必要レベルを知る
まずは、「どれくらいの英語が必要か」を、志望校とカリキュラムから確認します。
- 志望する医療系大学・専門学校の入試科目(英語の有無・配点)
- 英語外部試験(英検・TOEICなど)の利用有無
- 大学入学後の英語・医療英語の必修単位数
医療系大学の英語教育に関する調査では、多くの大学が一般英語を2〜10単位、専門英語を0.78〜8単位必修としており、学年初期に一般英語、後半に医療英語という流れが主流とされています。
岐阜医療科学大学のカリキュラムポリシーでも、「英語と医療英語を通して国際感覚とコミュニケーション力を養う」と示されており、入学後も継続して英語に触れることが前提になっています。
正直なところ、この段階は少し面倒です。でも、「必要なレベル」を知らないまま闇雲に勉強するより、ゴールを先に見る方が、結果的に効率もメンタルも安定します。
ステップ2:実体験ベースで「英語との距離」を縮める
高校時代は英語が得意ではありませんでした。テスト前だけ教科書を開いて、「長文=呪文」にしか見えない。そんな状態で、あるとき病院の待合室に置いてあった英語のパンフレットを何気なく手に取ったことがあります。
そこには、
- 「Please tell me if you have any pain.」
- 「Do you have any allergies?」
といった、シンプルなフレーズが並んでいました。そのとき、「あ、医療の英語って、こんなシンプルでいいんだ」と肩の力が少し抜けました。
別の日、救急外来で外国人の患者さんとやり取りしている看護師さんを見かけたときも、会話の大部分は
- 「Where is the pain?」
- 「Since when?」
- 「Please wait here.」
といった短いフレーズでした。
もちろん、中にはもっと高度な説明が必要な場面もあります。でも、「全部が難しい長文」ではない。実は、「短くてよく使うフレーズ」だけで成り立っている会話もたくさんあります。
この体験があってから、「英語」というより「現場で使うセリフ」を覚える感覚で取り組めるようになりました。
ステップ3:こういう人は今すぐ相談すべき
- 英語の定期テストで平均点に届かない状態が続いている
- 医療系進学を考えているが、「英語が足を引っ張る気しかしない」と感じている
- 単語帳や問題集を買ったものの、3日以上続いたことがない
こういう人は今すぐ、学校の英語の先生や塾の講師に相談すべきです。この状態ならまだ間に合います。
医療系大学の英語教育の提案論文でも、「現状のレベルを把握し、学生の実態に合わせた段階的な教材と授業設計を行うこと」が重要だとされています。また、看護英語の集中コースやオンライン講座など、「医療者・医療系学生向け」に特化した英語プログラムも増えており、一般的な受験英語よりもモチベーションを保ちやすい仕組みが整いつつあります。
迷っているなら、「英語が苦手だから医療職を諦める」のではなく、「英語が苦手だからこそ、医療系に特化した学び方を選ぶ」方向に思考を切り替えてみてください。
よくある質問
Q1:医療職を目指すなら、英語はどれくらいできる必要がありますか?
A: 日常会話レベルのペラペラさまでは不要ですが、外国人患者さんへの簡単な対応と、基本的な英文献を読む力は持っておくと安心です。
Q2:英語が苦手でも、医療系大学に入れますか?
A: 入試科目や配点によります。英語必須の大学も多いですが、「国語+理科中心」「外部英語試験利用」など多様な入試方式が増えています。早めに志望校の条件を確認しましょう。
Q3:看護師として働くとき、英語を使う機会は多いですか?
A: 地域や病院によりますが、調査では60%以上の看護師が業務で英語を使う機会があると回答しており、外国人患者への対応が増えている傾向があります。
Q4:岐阜医療科学大学では英語の授業はありますか?
A: はい。カリキュラムポリシーで「医療英語」を必修とし、英会話や他言語科目も配置することで、医療現場で使える語学力を育てる方針が示されています。
Q5:医療現場で使う英語は難しいですか?
A: 専門用語はありますが、「仕事の英語は日常会話より簡単」と感じる医療者も多く、場面ごとの定型フレーズを覚えることで実用レベルに届きやすいとされています。
Q6:英語が得意だと、医療職としてどんなメリットがありますか?
A: 外国人患者の対応、海外研修や留学、英語の論文・ガイドラインの読解などで活躍の幅が広がり、医師・看護師ともにキャリアの選択肢が増えると報告されています。
Q7:英語が苦手なまま医療職になるのは危険ですか?
A: 即「危険」というほどではありませんが、外国人患者対応や英語資料の理解に時間がかかり、現場でのストレス要因になりやすいと指摘されています。少しずつでも基礎を固めておく方が安心です。
まとめ
医療職に英語は「まったく不要」ではなく、外国人患者対応や最新医療情報の理解などの場面で一定の英語力が求められる一方で、必要なのは”限定された場面での実用英語”であり、苦手な人でも対策次第で十分対応可能なレベルです。
日本の医療系大学では、一般英語と医療英語を必修・選択で配置し、看護・検査・放射線などの学科で「英語Ⅱ・英語Ⅲ・英会話Ⅱ」を通して国際性とコミュニケーション力を育てるカリキュラムが整えられています。
迷っているなら、「英語が苦手だから医療職を諦める」のではなく、「医療でよく使うフレーズに絞る」「医療者向けの英語講座を使う」「志望校の英語カリキュラムを確認する」といった現実的な一歩から始めることが、将来の不安を減らす近道です。
もし今、英語の教科書を開いて3行目でため息をつき、スマホに「医療職 英語 無理」と打ち込んでしまう夜が続いているなら、その手を一度止めて、「自分の自己紹介」と「症状を3つ聞くフレーズ」だけでも紙に書き出してみませんか。その小さな一歩が、医療職としての未来と英語への距離を、確実に縮めてくれます。